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マウントアダプター

カメラの世界において、マウントアダプターは非常に重要な役割を果たします。

 

特に、長年にわたり収集された数々のレンズ、特にZeissやLeicaの名玉レンズを活用する際に、その効果は一層顕著です。

これらの優れたレンズは、それぞれに独自の個性と描写力を持ち合わせており、適切なマウントアダプターを使用することで、異なるボディーとの理想的な組み合わせが可能になります。

まず、Zeissレンズは、その高い解像度とコントラスト、独特のボケ味で知られています。

一方、Leicaレンズは、その卓越した光学性能と色再現に定評があります。

これらのレンズをマウントアダプターを通じてデジタルカメラボディーに装着することで、撮影者は新たな視点からの表現を可能にします。

マウントアダプターは、レンズとボディーの元々のマウントが異なる場合でも、互換性を生み出し、撮影の幅を広げます。

さらに、湾曲収差という要素も考慮する必要があります。

湾曲収差は、特定のレンズ設計において生じる問題で、画像の周辺部でのシャープネスや色の歪みを引き起こします。

しかし、近年のソフトウェアの進化により、これらの収差を補正するツールが登場しています。

例えば、画像処理ソフトウェアやカメラ内の補正機能を使用することで、収差を軽減し、よりクリーンで鮮明な画像を得ることができます。

これにより、昔のレンズを現代の技術で再評価し、新しいクリエイティブな表現を探求する道が開かれています。

そのため、マウントアダプターは単なる物理的な接続装置ではなく、アートとしての写真表現の可能性を無限に広げる道具なのです。

古典的なレンズと現代のカメラ技術の融合により、撮影者は独自のスタイルを追求し、独創的な作品を生み出すことができるのです。

このように、アダプターを用いたレンズとボディーの組み合わせは、技術の進化によってますます多様化し、写真を創造する楽しみを増幅させています。

#マウントアダプター#Zeissレンズ#Leicaレンズ#湾曲収差#ソフトウェア補正#クラシックレンズ#現代視覚#カメラボディー

​レンズの魔力

カメラを始めて、気がつけばもう35年になります。
音楽やオーディオと同じように、写真も“嗜好品”です。

良い音・悪い音、好き嫌いは人それぞれ。写真もまた、正解のない世界です。最初の頃は何が良くて何が悪いのか、まったく分からず、迷いながら撮り続けてきました。

それでも5年ほど経った頃から、ようやく自分が「好む絵」が見えてくるようになりました。

最近は海外の写真家の作品に触れる機会も多くなり、改めて考えるのが「解像感はどこまで必要か?」ということ。2400万画素で高感度に強いカメラで十分なのか、それとも6000万画素を活かした緻密な描写が必要なのか。

もちろん、高画素機を活かすには、それに見合うレンズ性能が求められます。

 

今回のパリとロンドンの旅では、昔から集めてきたライカのオールドレンズに加え、最新のアポズミクロンやズミルックスも持参しました。

オールドレンズは味のある描写が魅力ですが、特に35mmや50mmはフランジバックの問題で収差が目立つこともあり、ソフトでの補正が欠かせません。

正直なところ、レンジファインダーはどうにも苦手で、マウントアダプターを使ってNikonボディに装着しました。

Z9やZ8も所有していますが、あえてZfをメインに選びました。

理由は、「カッコよさ」と「使いやすさ」、そして何より「軽さ」。

旅ではこの軽さが大きな武器になります。

 

私にとって“重さ”は最大の敵。できるだけ軽量な機材を選び、身軽に動けることを優先しています。

とはいえ、次回予定している北極圏の旅では、そうも言っていられません。

目的は野生動物の撮影。

長くて重い望遠レンズが必要になります。Zマウントの超望遠レンズは高い描写力を誇りますが、その分重量もあり、体力面でやや不安を感じています。

今から少しずつ準備を始めなければと考えています。

 

そうした中で、使わなくなったレンズも増えてきました。

たとえばNikkor F1.2シリーズの3本は、ここ最近まったく出番がありません。

あれほど憧れて手に入れたZeiss Otusシリーズの5本も、いまや箪笥の肥やしになってしまっています。

性能は素晴らしいですが、重さとサイズのバランスでどうしても持ち出す機会が減ってしまう。

機材の魅力だけでなく、「使いたくなる理由」が大切だと、改めて感じています。

 

道具はあくまで手段であり、それ自体が目的ではありません。

でも、自分の感性にぴたりと合う機材に出会えると、撮影の楽しさがぐっと深まります。

 

これからも“軽さ”と“描写”のバランスを探りながら、自分なりのスタイルで写真と向き合っていきたいと思います。

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​撮影場所 パリ バンドーム広場.  機材 Nikon Zf + Leica Summilux35M

​作品例

Paris
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​撮影場所 ロンドン ウエストエンド地区.  機材 Nikon Zf + Leica Summilux50M

​作品例

London

オートフォーカスがないカメラを使うと、どこかで車のマニュアル車(MT車)の操作感に似た感覚を覚えます。
両者には共通する、少し「手間」がかかるけれど、その分、自分の意図通りに操作できたときの達成感がある点が似ているのです。

 

車を運転しているとき、加速したい場面でギアを一段下げることがあると思います。
アクセルを踏み込むだけで加速するオートマ車と違い、マニュアル車では自分の判断でギアを落とすことによって、力強くスムーズに加速することができます。
これ、カメラにも似た瞬間があります。
シャッターチャンスが来たとき、焦ってレンズのピントを合わせるのではなく、「待てよ、今は一段絞った方が絵が締まるかもしれない」と一歩引いて考える。
そうして絞りを調整してからシャッターを切る瞬間、まるでギアを一段落としたかのように、意図的に描写を深めることができるのです。

 

マニュアルカメラには、こうした一歩引いた判断が必要です。自動で設定を合わせるオートフォーカスとは違い、どんな瞬間にシャッターを切るか、どの絞りを選ぶか、すべて自分の判断です。これは、どこでギアを落とすかというマニュアル車の運転感覚に似ていると感じます。

 

私が愛用しているのは、ライカのモノクロ専用機、Mモノクローム・CCDです。

これには、オートフォーカスがありません。
しかし、その分、写真を撮るたびに「この瞬間をどんな風に切り取るか」という感覚が研ぎ澄まされていくような気がします。

特に、モノクロでの撮影では、光と影の微細な変化をどう捉えるかが重要であり、細かな絞り設定やピント合わせに心を込めていると、まるで車のマニュアル操作のように、全ての手順が意味を持つ瞬間が訪れます。

 

今後も初代ライカモノクロームMを使い続けるつもりです。このカメラと共に過ごしてきた時間は、まさに自分が写真と向き合う時間でもあり、何度もシャッターを切るごとにその良さを実感しています。

さて次回は北極圏への撮影旅行を計画しております。

 

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制作中

Shooting location

Vancouver.Anchorage.Arctic.Fairbanks.Seattle.Banff.NYC

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